日本は治安がいい国ですが、それでも備えは必要です。最近では侵入窃盗や押し入り強盗のニュースをよく見聞きするようになりました。特に一戸建てではこれらの犯罪に遭うリスクが非常に高いです。
この記事では一戸建て住宅に住んでいて防犯対策を調べられている方、あるいはこれから一戸建て住宅を購入される方向けに、侵入されやすい家の特徴と一戸建ての防犯対策を解説します。大切な生命と財産 を守るために、万全の対策をとりましょう。
【データで見る住宅侵入】空き巣等の住宅への侵入窃盗は一戸建てでの発生が最多!
警察庁のデータによると令和4年度に発生した侵入窃盗の件数は3万6,588件。1日あたり43件もの侵入窃盗が発生しているということになります。侵入窃盗事件が発生した建物の種別は一戸建てがもっとも多く、全体の33%です。
マンション等の集合住宅には共用設備として防犯カメラやオートロック式のエントランスなど防犯対策がしっかりと備わっています。しかし、一戸建てにはこうした設備はなく、集合住宅と比較するとかなり無防備な状態であり、ご自身で意識的な対策をとることが重要です。
泥棒の住宅への侵入経路は窓と玄関などの出入口で9割を占める
泥棒が良く使う一戸建てへの侵入経路 | ||
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1位 | 窓 | 53.5% |
2位 | 玄関・表の出入り口 | 21.3% |
3位 | その他の出入り口(裏口など) 非常口 |
15.5% |
合計:90.3% |
出典:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/img/kakudai_graph/a_d_1_graph12.gif
泥棒が一戸建て住宅へ侵入する際に使う経路としてもっとも多いのは窓で、その次が玄関や表の出入り口、裏口や非常口などになり、各種出入り口で約9割を占めています。そのため、窓や玄関、勝手口などの防犯対策が最重要です。逆にいえば出入り口さえ押さえておけば、侵入窃盗の被害に遭うリスクを大幅に軽減することができます。
また、庭の死角をなくすなど、そもそも敷地に出入りしにくくする工夫も大切です。
一戸建ての防犯対策が重要な理由|泥棒は5分で7割・10分で大半が諦めるので時間稼ぎがカギ!
窃盗被害を防ぐためには時間稼ぎが非常に重要となります。警視庁の統計によると、泥棒の7割は侵入に5分以上かかったら犯行をあきらめ、10分以上ともなるとほとんどの泥棒は断念して何も盗らず逃走するそうです。
敷地内や建物内に侵入されにくくする対策に加えて、侵入されても犯行をあきらめさせる対策も必要になってきます。
こんな家が狙われる!侵入されやすい一戸建ての8つの特徴
泥棒に狙われやすい、侵入されやすい家には傾向があります。ここからは侵入窃盗の被害に遭う可能性が高い一戸建て住宅の特徴を8つ見ていきましょう。以下のどれか一つにでも当てはまっている場合はすぐに改善してください。
1.無戸締りの家(植木鉢の下やポストに合鍵を入れるのもNG)
当然のことながら戸締まりをしていない家は泥棒の格好の餌食となります。出かける際は「少しの間だから」という油断は禁物です。在宅している間でも必ず玄関や窓の鍵を閉めましょう。
また、家族のために鍵をポストや植木鉢の下などに置いておくというご家庭もあるかと思いますが、これは無施錠と同じです。泥棒は合鍵を探して侵入してきます。合鍵は絶対に持ち歩くか家の中に置いておきましょう。
2.塀や柵がなく敷地に入りやすい家
塀や柵は泥棒の侵入を妨げ、犯行までに時間を稼ぐ効果があります。まわりに塀や柵がなく、通りから玄関まですぐにたどり着けてしまう一軒家も危険です。
この場合は玄関の鍵をディンプルキーへ交換する、家のまわりに防犯カメラを設置する、玄関や窓に補助錠を追加するなどの対策をとりましょう。また、これから一戸建てを建てられる方は、敷地や建物のまわりを囲むように塀や柵を設けることで侵入されにくくなります。
3.ドア(出入口)や窓が多い家
一戸建てはマンションやアパートなどと比較すると出入り口や窓が多いため、泥棒にとっては侵入が容易です。特に勝手口や裏口などドアが玄関以外にも複数ある場合は侵入経路が増えるため、どうしても狙われやすくなります。
前述のとおり、必ずすべての出入り口は施錠し、ディンプルキーへの交換や補助錠を追加するなどの対策を行いましょう。
4.死角が多い家
泥棒は人の目が届きにくい死角を狙ってきます。たとえば塀や柵が高いと侵入を阻む効果が高いですが、いったん侵入されてしまったら外から敷地の中の様子が見えにくくなるため、むしろ犯行を手助けしてしまう結果にもなりかねません。他にも人通りの少ない通りに面している、旗竿地のように奥まった場所に家があるという場合も要注意です。
防犯カメラやセンサーライトを設置するなどの対策が必要となります。
5.目立つセキュリティシステムが少ない家
マンションのオートロックや防犯カメラなどのわかりやすいセキュリティ設備は泥棒に心理的なプレッシャーを与えて犯行をあきらめさせる効果もあります。一戸建てにはこうした外から見ても目立つようなセキュリティ設備がないことも、狙われやすい要因となります。
やはり防犯カメラやセンサーライトなどのわかりやすい防犯設備を設置しましょう。
6.隣家と距離が離れている家
隣家と距離が離れていると、人の目が少なくなることに加えて扉を開ける音やガラスを割る音、あるいは助けを求める声などの物音も届きにくくなるため、泥棒にとっては犯行がしやすい環境といえます。
特に土地に余裕がある郊外では隣家との距離をとって家を建築するケースも多いですが、その場合は人一倍防犯に気を遣いましょう。
7.周囲の人通りが少ない家
隣接する通りに人や車の通行が少ない場合も同様に人目がなく侵入に気づかれにくいため注意が必要です。
施錠はしっかりと行い、必要に応じて補助錠やディンプルキーの導入、防犯カメラやセンサーライトなどで対策しましょう。
8.留守が多い・留守にしている時間帯が分かりやすい家
侵入する前にしっかりとリサーチをして狙いを定めてから犯行に及ぶ泥棒も少なくありません。たとえば郵便物が溜まっている場合、長期間外出していることがわかります。仕事やお子さんの送り迎えなど、決まった時間に外出していると行動パターンが把握されて留守の時間に狙われます。
それぞれ生活があるので仕方ないことですが、たとえば長期の旅行や出張の際には新聞を止める、外出の際にはしっかりと戸締まりをする、後述する防犯対策を万全に行うことで、被害に遭うリスクを軽減できます。
一戸建てが行うべき防犯対策をスポット別に解説
先ほども解説したとおり、侵入窃盗事件の半数は窓を侵入経路として犯行が行われています。窓は防犯対策の要であり、逆に窓を対策するだけでも被害に遭う危険性を大幅に抑えることができるのです。ぜひ以下のような対策を行いましょう。
【侵入経路の50%超】一戸建ての窓の防犯対策5選
令和4年度の警視庁の調査によると、侵入窃盗事件の53.5%は窓を侵入経路として犯行が行われています。そのため真っ先に窓の対策を考えましょう。以下のような防犯対策を施すことで、被害に遭うリスクを大幅に低減することができます。
1.ガラスを防犯ガラスにする
防犯ガラスは非常に頑丈なガラスです。たとえバールで叩いたりバーナーで加熱したりしたとしても、容易に割れることはありません。先ほどもご説明したとおり、泥棒の半数は5分以上かかると犯行をあきらめます。ガラスを割るのに時間がかかれば、侵入を断念して逃げていくでしょう。
また、防犯ガラスを導入することでガラス片が飛び散らず安全であること、防音性、耐熱性能や断熱性能が高くなるなどさまざまなメリットが得られます。
2.ガラスに防犯フィルムを貼る
防犯フィルムとはガラスを割れにくくするために窓に貼るフィルムのことです。防犯ガラスよりは効果は低くなりますが、それでも窓ガラスが割れにくくなるため侵入されるリスクが低くなります。
窓ガラスを割れにくくする、ガラス片の飛散を防げるといった利点に加え、防犯ガラスよりもコストを抑えられる、既存の住宅にも対応しやすいといった点がメリットです。目隠しやUVカット、虫よけなどの機能が付属されたフィルムもあります。
3.補助錠を取り付ける
補助錠とはもともと備え付けられている鍵とは別に、補助的に取り付ける鍵のことです。侵入する際には解錠に時間がかかります。補助錠を取り付けることで、解錠するまでの時間がさらに長くなり、犯行をあきらめさせる効果が期待できます。
防犯フィルムよりもさらに低コストで対策でき、かつ大きな防犯効果が得られるのがメリットです。また、特に外付けタイプのものであれば、防犯対策をしていることがわかるため犯行を躊躇させるという効果も得られます。
4.防犯面格子を取り付ける
防犯面格子とは窓の外側に設置される格子のことです。マンションやアパートの通路側の窓には防犯面格子が設置されていることが多いです。物理的に窓からの侵入を防ぐことができます。
防犯ガラスや防犯フィルム、補助錠は侵入する際にはじめて防犯対策が施されていることがわかりますが、防犯面格子は外から見て侵入できないことがあからさまとなるため、非常に高い防犯効果を得られるのがメリットです。
5.シャッター・雨戸を設置する
強風や突風時の飛散物で窓ガラスが割れるのを防ぐシャッターや雨戸。防犯にも非常に高い効果があります。特に夜寝る前、旅行や出張などで長期間家を空ける際には雨戸やシャッターを閉めておきましょう。鍵付きのものであれば、より防犯効果は高くなります。
雨戸やシャッターを閉めておけば、それらを開けるという一手間が加わるため、犯行までの時間を遅らせることが可能です。また、シャッターや雨戸を閉めていれば屋内の様子がわからないため、泥棒に心理的なプレッシャーを与えることもできます。
【侵入経路の約36%】一戸建ての玄関&出入口の防犯対策3選|ピッキング対策が重要!
警視庁の調査によると侵入窃盗事件のうち36.8%は玄関や勝手口などの出入り口を侵入経路として発生していますので、窓以外の出入り口の対策も必須です。以下のような対策を実施しましょう。
1.鍵をディンプルキーにする
ディンプルとは「くぼみ」という意味です。くぼみがいくつかついた鍵を見たことがあるかもしれませんが、それがディンプルキーです。鍵の内部のピンと鍵のくぼみの形状が一致した場合に施錠・解錠することができます。
一般的な鍵と比較してピッキングがしにくい、複製が難しいといった長所があり、非常に防犯性が高いです。これから家を建てられる方は、ディンプルキーも検討してみましょう。また、建てた後でも普通の鍵からディンプルキーに変更することが可能です。
2.サムターンカバーを取り付ける
サムターン回しとは、ドアに穴を空けたり隙間から工具を差し込んだりしてサムターン(ドアの内側の鍵のつまみ)を外側から回す手口です。サムターンのまわりを金属や樹脂製のカバーで覆うサムターンカバーを取り付けることで、サムターン回しを防ぐことが可能です。
一旦サムターン回しをしようとしてサムターンカバーで阻止された場合、泥棒にとっては大きな時間ロスとなります。ディンプルキーの設置や交換と比較して低コストで高い防犯効果が得られます。
3.防犯カメラ(人感センサー・常時録画・動体検知など)を設置する
防犯設備の代表例として思い浮かぶのは防犯カメラではないでしょうか。今は防犯カメラの画質も向上しており、常時録画タイプのものに加え、センサーで人の動きを感知したときのみ作動するタイプの製品もあります。
防犯カメラを設置すれば犯行の瞬間を捉えることができ、迅速な犯人の特定や逮捕、立件につながります。また、防犯カメラが設置されていることで泥棒に心理的なプレッシャーを与えられ、犯行を躊躇させる効果も期待できます。
【狙われにくい家に!】庭・建物周辺の防犯対策4選
窓や出入り口の対策に加えて建物や庭に泥棒を侵入させないようにすることも大切です。ここからは建物そのものや敷地に侵入しにくくするための方法をご紹介します。
1.防犯カメラを設置する
防犯カメラは建物へはもちろん、敷地や庭に侵入させにくくする効果もあります。特に死角が多い家には最適です。たとえば庭や通りが映るように設置することで、侵入者の姿や顔をいち早く録画することができ、犯行を躊躇させる効果も期待できます。
2.センサーライトを設置する
侵入窃盗の多くは人々が寝静まる夜間や夜中に発生します。夜間に犯行を行う泥棒は光を嫌いますので、人や車の動きを検知するセンサーライトを設置すれば泥棒を牽制することができ犯行を止めることにつながります。
また、住人にとっても人が来たことをすぐに把握できる、帰ってきたときに玄関先が明るくなって手元や足元が見やすくなるなどのメリットもあります。
3.音砂利(防犯砂利)を設置する
光と並んで泥棒が嫌うものとして音があります。足音がすれば住人や通行人から犯行に気づかれてしまう可能性があるためです。
小さな玉砂利(防犯砂利)を玄関アプローチや庭に敷き詰めることで、泥棒が歩いたときの足音が大きくなり、犯行を止めさせる効果が期待できます。他にもデザイン性が高いものを選べば家や庭の見栄えが良くなる、雑草対策になる、靴が泥で汚れにくくなるなどのメリットが得られます。
4.垣根を表から見えるものに変える【死角対策】
塀や柵、垣根は不審者の侵入を阻む効果がありますが、高すぎると一旦敷地に侵入されてしまったときに通りからの死角ができて犯行がしやすくなってしまうため、むしろ敷地の中が見えるような適度な高さに抑えておくほうが効果的です。
他にも塀や柵、垣根があることでプライバシーを守ることができる、土地の境界線がわかりやすくなる、家や庭の見栄えが良くなるなどのメリットが得られます。
この記事のまとめ
連日のように侵入窃盗やそれが発展した押し入り強盗のニュースを見聞きするようになりました。侵入されてからでは遅いです。いつ犯罪の被害に遭うかはわからないため、決して他人ごととは思わず、今回の記事も参考にしていただきしっかりと対策しましょう。
一戸建ての防犯対策ならRYU-SHINにお任せください。今回ご紹介した防犯ガラスやフィルムの施工、補助錠や防犯面格子、シャッターの設置、ディンプルキーへの交換、外灯やセンサーライト、防犯カメラの設置など、ありとあらゆる防犯対策に対応しています。お客様の建物や敷地に合わせた対策をご提案しますので、ぜひ一度ご自宅の防犯について考えてみてください。
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