屋根は塗装が劣化するため定期的に塗り直さなければなりません。また、屋根は強烈な日光や風雨が直撃し、建物の中でももっとも過酷な環境にさらされるため、点検やメンテナンスも重要です。
この記事では屋根塗装の費用相場や塗料の種類、劣化状況の見分け方など、屋根塗装に関わる情報を網羅しました。お読みいただければ屋根塗装の基本がわかります。屋根の劣化や不具合が気になられている方、屋根塗装を検討されている方必見です。
屋根塗装の費用相場は50万円~!内訳を分かりやすく解説
外壁塗装の最低価格の目安 | |
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金額 | 50万円 |
試算条件 | ・坪数:25坪 ・塗料代:約2割 ・工事費:約3割 ・足場代:約2割 ・企業利益:約3割 |
まず皆さんが気になるのは「屋根塗装にはいくらかかるのか?」ということではないでしょうか?屋根塗装を行うためには最低でも50万円程度は必要です。40万円を切るような破格の見積もりを提示する業者もいますが、しっかりと工事をするとなるととてもこの値段ではできないため少し疑ったほうがいいかもしれません。
費用の内訳は塗料代と足場代がそれぞれ2割、工事費と企業利益がそれぞれ3割くらいというのが相場です。費用は屋根の面積、建物の形状や階数、必要な足場の規模、使用する塗料の種類などによって変わるため、具体的に「◯◯円」と示すのは難しい面があります。
また、金額は職人の腕に比例する傾向もあるため、まずは見積もりを取るのと同時に、その業者の資格の有無や信頼性も考慮した上で選ばれることをおすすめします。
塗料の種類も金額を大きく左右する要素ですが、安いからといって耐用年数が短い塗料を選んでしまうと塗装をし直す頻度が多くなってしまい、トータルで見たら費用が高くなってしまうこともあり得ます。ある程度高価でも耐久性が高い塗料を選んだほうが得策です。
【お得な知識】屋根塗装は外壁塗装とセットで行うとコスパが良い理由
屋根塗装と外壁塗装を同時に行うことで足場代を浮かせることができます。足場とは作業員が作業するためのスペースで、鉄パイプと足場板から構成されます。前述のとおり足場代は工事費用の2割を占めており、結構な金額となります。
屋根塗装と外壁塗装を別々にすればその都度足場の組み立てと解体をしなければならず足場代も2回分かかってしまいますが、同時に行えば1回分に抑えられるため、大きなコストダウンとなるのです。
【基礎知識】屋根塗装・屋根リフォーム・屋根修理の違い
屋根に関する工事には「屋根塗装」の他に「屋根リフォーム」「屋根修理」という工事もあり、それぞれ内容が異なります。ここからはこの3種類の工事の違いについてご説明していきます。
屋根塗装|塗料の塗り直しがメインの定期的に必要なメンテナンス
屋根塗装とは冒頭のとおり屋根の塗装を塗りなおす工事のことです。ちょっとしたひび割れの修理などは行いますが、基本的には壊れた屋根を修理する工事は別で、あくまで塗膜が劣化した屋根の再塗装が目的となります。
屋根塗装は塗装の経年劣化に応じて定期的に実施する必要があり、8〜10年程度に1回が一般的な周期です。使用する塗料によって値段や耐久性が異なり、それによって周期も変わってきます。塗料の種類やそれぞれの特徴については後ほど詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
屋根リフォーム|葺き替えなど屋根の全面的な修繕工事
屋根リフォームとは屋根を全面的に補修する工事を指します。古い屋根を外して新しいものに交換する葺き替え、従来の屋根の上に新しい屋根を載せる屋根カバー工法などがあります。
屋根をまるごと取り替える葺き替えよりも、屋根カバー工法のほうが安く済み工期も短い傾向があります。一方で葺き替えを行えばより屋根の耐久性や性能(断熱や遮熱など)を向上させることができます。
屋根リフォームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひお読みください。
屋根修理|屋根の部分的な補修(ひび割れた瓦の差し替えなど)
屋根修理とは屋根を部分的に修理する工事のことです。具体的には屋根材の部分的な差し替えや棟板金の交換などが挙げられます。全面的に補修する場合は先ほどの屋根リフォームを選択しましょう。
災害や経年劣化などで屋根の一部が損傷した場合に実施するほか、定期的に点検して必要に応じて屋根修理を行うことで、雨漏りやシロアリなどの被害を未然に防ぐことができます。
屋根修理についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。
【5選】屋根塗装に使う塗料の種類と1㎡あたりの単価相場
屋根塗装の塗料:種類&相場比較表 | ||
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名称 | 1㎡当たりの単価(目安) | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 1000円~1500円程度 | 3~8年程度 |
ウレタン塗料 | 1500円~2000円程度 | 5~8年程度 |
シリコン塗料 | 1800円~3500円程度 | 10~15年程度 |
フッ素塗料 | 3000円~5000円程度 | 15年以上 |
無機塗料 | 4500円~5500円程度 | 15~20年以上 |
屋根塗装に使う塗料にはさまざまな種類があり、費用や耐久性が大きく変わってきます。屋根塗装工事が満足いくものになるかどうかは塗料選びにかかっているといっても過言ではありません。ここからは各塗料の費用相場や耐用年数、特徴を見ていきましょう。
1.アクリル塗料|安いが長持ちしない【耐用年数3~8年】
アクリル塗料の単価相場と耐用年数 | |
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単価目安(1㎡) | 1000円~1500円程度 |
耐用年数 | 3~8年程度 |
アクリル塗料とはその名の通りアクリルを原料とした塗料です。非常に安価でありカラーバリエーションも豊富で、DIYなどにも使われます。
費用相場は塗料の中ではもっとも安く、1㎡あたり1,000~2,000円程度。その代わり耐久性は低く、3~8年程度で劣化して塗膜が剥がれてしまうことが多いです。
とにかく安く塗装したい、短期間で塗り直す予定があるという場合はアクリル塗料も選択肢に入れてもいいかもしれませんが、通常は他の種類の塗料を選ぶことをおすすめします。
2.ウレタン塗料|アクリル塗料の次に安い【耐用年数5年~8年】
ウレタン塗料の単価相場と耐用年数 | |
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単価目安(1㎡) | 1500円~2000円程度 |
耐用年数 | 5~8年程度 |
ウレタン塗料とはアクリル塗料の次に安価な塗料です。耐用年数もアクリル塗料と比較して長く、コストも性能もそれなりの塗料といえます。広く普及している塗料の一つであり、色艶がよく高級感がある、弾力性があってひび割れをしやすい下地にも対応しやすいという特色もあります。
費用相場は1㎡あたり1,500~2,000円で、耐用年数は5~8年程度です。やはり以降で紹介する種類の塗料と比較すると劣化しやすいため、再塗装の周期は短めとなります。
3.シリコン塗料|コスパの良い一般的な塗料【耐用年数10年~15年】
シリコン塗料の単価相場と耐用年数 | |
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単価目安(1㎡) | 1800円~3500円程度 |
耐用年数 | 10~15年程度 |
シリコン塗料はアクリル塗料やウレタン塗料と比較して紫外線や水に強く、劣化がしにくいのが特徴です。水で希釈する水性、油で希釈する油性というタイプがあり、さらに油性は単体の液体を使用する1型と、主液と硬化剤を混ぜ合わせる2液の2種類があります。水性は強度の面では油性よりも劣りますが、環境にやさしく臭いが少ないです。油性はシンナーを使うため臭いが気になりますが、塗膜の耐久性は高いというメリットがあります。
費用相場は1㎡あたり1,800~3,500円で、耐用年数は10~15年程度です。コストと耐久性のバランスが良く、屋根塗装用の塗料としてはもっともメジャーなものであり、お客様が迷われた場合はシリコン塗料をおすすめしています。
4.フッ素塗料|撥水性に優れ長持ち【耐用年数15年以上】
フッ素塗料の単価相場と耐用年数 | |
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単価目安(1㎡) | 3000円~5000円程度 |
耐用年数 | 15年以上 |
塗料の中でも上位のランクに位置するもので、これまでご紹介した種類と比較すると非常に耐久性が高い塗料です。フッ素は親水性が高く、屋根を強力にコーティングするため、雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能も備わっています。
費用相場は1㎡あたり4,000~5,000円で、耐用年数は15年以上です。価格は多少高くなっても耐久性を重視されたい方、きれいな外観を長持ちさせたい方にはおすすめの塗料です。
5.無機塗料|耐久性と防火性に優れた最高級品【耐用年数15年~20年以上】
無機塗料の単価相場と耐用年数 | |
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単価目安(1㎡) | 4500円~5500円程度 |
耐用年数 | 15年~20年以上 |
無機塗料は石やガラスなどの無機物が配合された塗料です。劣化しにくい、苔やカビが発生しにくい、燃えにくい、耐候性が高いといった特徴があります。ただし、他の種類の塗料と比較して塗装の難易度が高いため、技術力がないとなかなか美しく仕上がらないという難点もあるため、業者選びがいっそう重要となってきます。
費用相場は1㎡あたり4,500~5,500円で、耐用年数は15年以上です。とにかく耐久性と美しさにこだわりたいという方におすすめの塗料といえます。
【屋根材別】屋根塗装の実施が必要な劣化のサインの見分け方を解説
屋根塗装は定期的に行う必要があります。以上で塗料ごとの耐用年数をご紹介しましたが、これはあくまで目安です。以下のような症状が見られたら屋根の劣化が相当進んでいる可能性があるため、早めに屋根塗装を検討しましょう。
1.瓦屋根(セメント瓦・モニエル瓦)|カビ・コケ・塗膜の剥がれに要注意!
瓦屋根の劣化のサイン |
● 瓦が割れている箇所がある ● 色褪せが見られる ● 塗装の塗膜が剥がれている箇所がある ● カビや藻が発生している ● チョーキングが発生している(触ると手に粉がつく状態) ● 表面にざらつきが見られる |
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セメントやモニエルの瓦屋根の場合は色褪せや塗膜の剥がれ、カビや苔が見られたら表面の塗料の劣化が進んでいる可能性があります。また、触ってみて表面にざらつきが感じられる場合、チョーキングといって粉が指につく現象が見られた場合も塗料が劣化しているサインです。
また、瓦が割れている場合は早急に修理しましょう。割れた部分から雨水が漏れてくるおそれがあります。1枚単位で瓦を交換することも可能です。屋根塗装で解決できること以外の工事は屋根修理の領域となりますが、塗装と修理は同時に行うこともできます。
2.粘土瓦(日本瓦・洋瓦)|塗装は不要だが割れや漆喰・モルタルの劣化に注意!
粘土瓦(伝統的な日本瓦や洋瓦)の劣化のサイン |
● 瓦が割れている箇所がある ● 漆喰の劣化が見られる ● モルタルの劣化が見られる |
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粘土でできている伝統的な日本瓦あるいは洋瓦は基本的に塗装は不要です。したがって定期的な屋根塗装工事は必要ありません。
しかし、瓦の割れや瓦の間の漆喰、モルタルの劣化が見られたら修理工事を検討しましょう。瓦が割れている場合は1枚単位で交換することが可能です。漆喰やモルタルが劣化している場合は、部分的に注入します。
3.スレート屋根|塗膜の剥がれや色あせに注意!
スレート屋根の劣化のサイン |
● 色褪せがある ● 塗装の塗膜の剥がれがある ● カビや藻が発生している ● チョーキングが発生している(触ると手に粉がつく状態) ● 屋根材の反りが目立つ ● 留め具や釘が抜けている箇所がある |
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スレートとは薄い粘土板のことです。色褪せや塗膜の剥がれ、苔やカビが見られる場合、チョーキングが発生している場合はやはり屋根塗装の時期です。
それに加えて屋根材の反りが目立つようになった、留め具や釘が抜け落ちている部分がある場合は屋根修理も必要となります。屋根塗装と同じタイミングで点検して、必要に応じて修理されることをおすすめします。
4.金属屋根(ガルバリウム鋼板など)|錆・留め金具や釘の抜けに要注意!
金属根の劣化のサイン |
● 錆が発生している ● 色褪せがある ● チョーキングが発生している(触ると手に粉がつく状態) |
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ガルバリウム鋼板などの金属は錆が発生しにくいのが特徴ですが、それでもまったくというわけではありません。錆が発生している、色褪せが見られる、チョーキングが発生している場合は屋根塗装が必要となります。
特に錆が見られる場合は腐食が進行している可能性もあり、そのまま放置しておくと雨漏りなどの重大なトラブルにもなりかねません。やはり定期的に点検を行い、早めに対処することが大切です。
5.アスファルトシングル|カビやコーティングの剥がれに注意!
アスファルトシングルの劣化のサイン |
● カビや藻が発生している ● 色褪せがある ● コーティングや基材が剥がれている |
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アスファルトは道路にも使われていて非常に耐久性や耐候性が高い素材ですが、年月が経過するとコーキング(ひび割れ)や基材の剥がれなどが発生します。これらの症状が見られたら修理が必要です。
また、やはり他の屋根材と同様カビや藻が発生している、色褪せが見られる場合は塗装が劣化しているので屋根塗装のタイミングといえます。
【屋根塗装の流れ】問合せから施工完了まで詳しく解説
屋根塗装の流れ一覧 |
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まずはお問い合わせいただいた後にお客様のもとにお伺いして調査・ヒアリングを行った後にお見積りをご提示します。ご要望は何でもおっしゃってください。なお、施工面積などを正確に算出させていただくため、必ず実地訪問をさせていただきます。お見積りやご提案にご納得いただけましたらご契約です。施工前には苦情やトラブル防止のため、必ず近隣にご挨拶・工事に関するご説明にお伺いしますのでご安心ください。
まずは建物の周辺に足場を組み、高圧洗浄を行います。古い塗料や汚れ、苔やカビが残っていると塗料が定着しにくくなるため、非常に重要な工程です。高圧洗浄が完了しましたら塗装面のひび割れや軽微な破損を修理する下地処理を行うとともに、塗料が塗装面以外に付着するのを防止するために養生をします。
屋根塗装は1回だけでは不十分です。下塗りと中塗り、上塗りと3回行うことで、塗装の耐久性が向上し、仕上がりも美しくなります。
塗装作業が終了したら完了検査を行い、問題がなければ足場を撤去してお引渡しとなります。
屋根塗装に関するよくある疑問と失敗しないためのコツ
屋根塗装のご依頼前、施工前には皆さんさまざまな不安をお持ちです。ここからは不安を少しでも払拭していただくために、弊社によくお問い合わせいただく屋根塗装に関する疑問点についてQ&A形式で回答させていただき、業者選びのコツについてもご紹介します。
1.窓を開けられるタイミングは「高圧洗浄」と「塗装中」以外
高圧洗浄と塗装の作業中はどうしても窓が開けられない期間が発生します。高圧洗浄中は室内に水が侵入する可能性があるため、1日程度窓が開けられない状態となります。塗装作業中も塗料が飛散して室内が汚れてしまう、あるいは塗料の臭いが室内に充満するおそれがあるため、2~3日程度は窓を閉めきっていただくようお願いしております。詳しい工期スケジュールや窓が開けられない期間は施工前にお伝えします。
2.洗濯物は外に干せない(汚れやにおいがつくリスクがあるため)
工期中は屋外の物干しにもご注意ください。やはり高圧洗浄中や塗装作業中は洗濯物に汚れが付着するおそれがあります。恐れ入りますが室内干しなどでご対応ください。
3.エアコンは通常通り使える
エアコンは基本的に工期中でも問題なくご使用いただけます。ただし、エアコンの室外機を養生するケースもあるので、念のためご相談ください。仮に室外機を養生する必要がある場合は、エアコンが使用できるよう施工します。
4.国家資格持ちで直請けの業者を選ぶと高品質かつお得
屋根塗装の業者を選ぶ際には、まずは資格の有無を確認されることをおすすめします。一級建築士などの国家資格保有者が在籍していれば、専門知識や技術力が担保され、満足いく仕上がりが実現できる可能性が高くなるからです。
また、この業界は下請に作業を委託するという形態をとられている業者も少なくありません。直請けの業者であれば中間マージンが発生しないので、適正価格で高品質な工事が実現できます。
RYU-SHINには一級建築士や一級施工管理技士などの国家資格を保有する職人が在籍しており、実績も豊富です。完全自社施工なので、リーズナブルな価格でご満足いただける仕上がりをお約束します。
この記事のまとめ
屋根塗装で重要になるのは塗料選びです。塗料の種類によって費用や耐久性が大きく変わってくるため、各塗料の特徴をしっかりと押さえておかれることをおすすめします。
また、それ以上に重要となるのは屋根塗装を依頼する業者選びです。仕上がりを左右するのはやはり職人の知識や技術です。とはいえお金をかければいいというものでもありません。適正価格でかつ高品質な施工をしてくれるような業者を選びましょう。
屋根は建物の中でも劣化がしやすい箇所です。ぜひ一度屋根の状態を確認してみませんか?
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