アパート・マンションの大規模修繕は大家さん・管理組合の方にとっては大きな悩みのタネの一つといえます。依頼先によって大きく費用や工事の質が異なりますので、なるべくなら丁寧に施工してくれて、かつ低価格で作業をしてくれる業者を選びたいものです。
今回はアパート・マンションの大家さん・管理組合の方向けに、大規模修繕を依頼する業者を選ぶポイントや施工業者の種類、選定方法についてご説明します。ぜひ、今回の記事を参考に、信頼がおける業者に任せましょう。
大規模修繕で施工業者を選ぶとき、考えたい3つのポイント
大規模修繕を依頼する業者を選定する際には実績、アフターサポート、費用という3つのポイントを柱に、総合的に判断しましょう。費用は安くても実績がない業者は質に不安があります。逆に実績があってアフターサポートが充実していても、費用が高いと予算オーバーしてしまうおそれがあります。
以下でそれぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。施工業者の事例・実績は最も重要視したいポイント
アパート・マンションの大規模修繕は入居者が生活している状態で行いますので、極力迷惑をかけない、事故を起こさないよう配慮しつつ、工期通りに決められた施工を行う必要があります。入居者がいる状態の賃貸物件で大規模修繕の実績があるか?あるとすれば何軒くらい手掛けてきたのか?どれくらいの規模(階数や戸数など)の物件の施工を行ってきたのか?を確認しましょう。
信頼がおける施工業者、技術力に自信がある施工業者は、しっかりとホームページで実績や過去の事例を公開しています。その中にご自身の物件に近しい建物の大規模修繕の実績や事例が多数あれば安心です。ホームページに掲載されていない場合は担当者に尋ねてみましょう。
大規模修繕の施工業者は、アフターサポートの良し悪しもチェック
アフターサポートが充実しているかどうかもしっかりと確認しましょう。万が一工事に不具合があっても保証がついていれば安心です。定期点検を実施してくれれば、物件の不具合を早期に発見することができて、建物の資産価値の維持につながります。技術力が高い大規模修繕施工業者ほど、保証やアフターサービスが充実しているものです。
また、営業担当者や現場代理人などスタッフの人柄や対応力についても確認してみましょう。いくら技術力が高くても、話しづらかったりコミュニケーションがとりづらかったりすると要望が伝えられず、計画通りの大規模修繕ができない可能性もあります。
大規模修繕の施工費用についての考え方
もちろん費用も重要です。大規模修繕は高額な投資となるため、今後の賃貸経営にも大きな影響を及ぼします。
工事費用が相場よりも安い場合、「安かろう悪かろう」になってしまうおそれもあります。工事の質が低いと物件に不具合が発生して修繕のために追加で費用がかかってしまう、入居者の満足度が低下して空室が増えてしまうといったリスクがあります。逆に高額な場合は自社で施工せずに下請けに丸投げしてマージンだけ抜き取っている場合もあります。
質が高い施工をしてくれて、なおかつ適正な価格を設定している、コストパフォーマンスが高い施工業者を選ぶことが大切です。費用を考慮した業者の選定方法については後ほどご説明します。
大規模修繕の施工を請け負う業者は大きく分けて3つ
大規模修繕の依頼先を選ぶ際には、施工業者の種別についても注目してみましょう。それぞれ得手不得手があり、それを踏まえて発注することが大切だからです。大規模修繕工事の施工業者は大きく「ゼネコン」「大規模修繕専門業者」「管理会社」の3種類に分けられ、それぞれ以下のような傾向があります。
ゼネコン
大規模修繕の依頼先としてまず挙げられるのがゼネコンと呼ばれる総合建設会社やその系列の施工業者です。大手企業が多いので安心感はありますが、ゼネコンが必ずしもアパートやマンションの大規模修繕を得意としているとは限りません。
前述のとおり、アパートやマンションは入居者がいる状態で行うため、入居者の生活に影響を与えず施工する技術力や配慮が必要です。物件の大規模修繕に対応してくれるかどうかを確認し、対応可能である場合は事例や実績をチェックしてみましょう。
大規模修繕を専門に行う施工業者
アパートやマンションの大規模修繕を専門に請け負っている業者もあります。大企業から中小企業まで幅広いですが、もともと大規模修繕を行っている業者やゼネコンの下請けとして塗装工事や防水工事などの部分的な工事を担ってきた業者が企業規模を拡大し、大規模修繕を事業として手掛けているケースが多いです。
こうした業者はリピーターが多く大規模修繕の実績も豊富です。技術力が高く施工の質が高い、さまざまな物件に対応できる、大家さん・管理組合の方や物件の入居者への対応に慣れている、要望がとおりやすいなどさまざまなメリットがあります。何よりも大規模修繕に特化しているため、安心して依頼することができます。
ビル、マンション管理会社の系列企業
賃貸物件の管理会社に相談してみるのも手です。管理会社内にある大規模修繕を担当する部署や管理会社の関連子会社、提携企業が工事を請け負ってくれる場合もあります。
そのアパートやマンションに熟知した管理会社に相談することで、物件に合わせた施工をしてくれる可能性が高まる、業者探しの手間や時間を短縮できるといったメリットが得られます。ただし、管理会社にお任せ状態になってしまい、施工の質や費用を事前に確認しづらいという点が難点です。費用面でも高く設定される傾向が多いようです。
大規模修繕の施工業者決定は「入札」「特命」「相見積もり」の3つ
大規模修繕の施工業者を決定する方法は、入札方式、匿名での随意契約、相見積もりの3つがあります。ここからは、それぞれの特徴を解説します。
業者を公募する「入札方式」
施工業者を公募して競争入札を行う方式です。競争原理が働くので、質が高い施工を低価格で実現できる可能性が高いのがメリットといえます。
ただし入札する業者同士で“談合”が行われると、入札のメリットである競争が発生しないため、価格が高くなってしまったり、オーナー・管理組合が希望する条件が満たされなかったりするリスクもあるのがデメリットです。また、実績がない業者、技術力がない業者も参加するため、安さだけで選ぶと工事の品質が低くなってしまうことも考えられます。
一社に見積もりを依頼する「特命での随意契約」
はじめから一社の施工業者に見積もりを依頼して大規模修繕工事を依頼する方法です。業者を選定する手間や時間が省ける、過去にその業者に依頼したことがあればそのときよりも工事の品質が極端に落ちるリスクが少ないというメリットがあります。
一方で比較対象がないため価格が適正ではない可能性もあります。費用を抑えたい場合は入札や相見積もりといった方法も検討してみましょう。
費用の相場観がわかる「相見積もり」
複数の施工業者に見積もりをもらって費用を比較検討して依頼先を決める方法です。費用の相場観がつかめる、費用だけでなく工事の内容や工期なども比較できるといったメリットがあります。
一方で業者選定や見積り依頼をする手間や時間がかかる、見積もり依頼の方法を間違えると正しい判断ができないといったデメリットもあります。
相見積もりの方法や注意点についてはこちらの記事『大規模修繕の賢い見積もりの取り方・見方を解説!』でも詳しく解説していますので、チェックした上で見積もりを取りましょう。
絞り込んだ候補から最終的に業者を選ぶ評価ポイント
良さそうな施工業者が見つかったけど本当にここでいいのか悩んでいる、候補となる施工業者を2社までに絞れたけど、どちらに依頼するか迷っている……そんな方もいらっしゃるかと思います。
以上で大規模修繕の施工業者を選ぶ方法をさまざまご紹介してきましたが、実はこの最終判断が一番重要といえます。ここで施工業者の評価を間違えると、やはり納得がいく大規模修繕が実現できなくなってしまうからです。
施工業者を決定する際には以下の点を意識して絞り込んだ候補から依頼する業者を決定しましょう。
建設業許可を持っている
大規模修繕では建築業許可は特に必要ありません。実際に建築業許可を取得していない業者も多いです。
建築業許可を取得するためには専任技術者を配置しなければならない、誠実性を担保しなければならない、欠格要件に該当していないなどの、さまざまな要件を満たさなければなりません。これらをクリアしてきた分だけ建築業許可を取得している会社のほうが信頼性や安心感は高いといえます。
また、建築業許可を取得しなければならない工事も行っている分、建物や施工に関するノウハウも期待できます。
見積書がわかりやすく記載されているか
見積書にもその施工業者の仕事への向き合い方や考え方が出ます。たとえば一行だけ「大規模修繕工事一式」とその価格のみが記載されているような見積書だと、費用の内訳や根拠がわかりませんので、非常に不親切であるといえます。また、不当に利益を上乗せしようとしている会社はあえて内訳を知られないようにするために、「一式」という書き方をする傾向があります。
どの工程にいくらかかるのかがわかる明細、なぜその価格が算出されているのかという根拠が見積書に記載されているかをチェックしましょう。
修繕時の細かな方針がしっかり明記されている
重要なのは大規模修繕工事の内容であることはいうまでもありませんが、それに関連した事柄に関しても細かく方針を説明してくれるかどうかを確認しましょう。
たとえば入居者や近隣住民への配慮、現場の安全確保、各種サービス、オーナーや管理組合に対するサポート体制、アフターフォローなど、工事の内容以外にも考慮すべき点はさまざまあります。
誠実な施工業者、仕事が丁寧な施工業者であれば、こうした事柄がいかに重要かを理解していますので、細かく説明してくれるはずです。
信頼に値するスタッフたちが業務に当たってくれる
以上の評価ポイントを確認した上で、「本当にその会社に依頼して大丈夫かどうか?」「チェックし忘れている事項がないか?」を関係者全員で話し合いましょう。自分では想定できていなかった懸念点や問題点も、複数人がさまざまな視点でチェックすることで洗い出せます。
高額な投資なだけに妥協は禁物です。少しでも不安が残るなら、迷いがあるのであれば、施工業者をもう一度探し直すという判断も必要かもしれません。
複数大規模修繕は、実績豊富なRYU-SHINへ!
大規模修繕は多額の費用がかかるため、絶対に失敗はできません。費用面でも工事の品質面でも、妥協せずに業者を選ぶことが大切です。そのためにも、必ず相見積もりをとって複数社を比較してみましょう。
RYU-SHINは神奈川県を中心にマンション・ビル・一戸建ての修繕や改修工事を専門的に手掛けています。1級建築士、1級建築施工管理技士をはじめ多数の資格を保有するプロフェッショナルが在籍しているので、建物の状況やお客様のご要望・ご予算に応じた工事のご提案が可能です。ご相談から施工、メンテナンス・アフターサービスまで、自社で一貫して対応するため、中間マージンが発生せず適正価格での大規模修繕工事を実現します。2006年の創業以来、神奈川県や首都圏を中心に年間50件以上の施工実績があり、その9割はマンション・アパートなどの大規模修繕です。建築業許可も取得しており、庁舎や学校などの修復工事にも携わってきました。施工事例や実績も多数公開しております。
アパート・マンションの大規模修繕なら、RYU-SHINにご相談ください。
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