今賃貸マンションやアパートに住んでいるけど、結婚や出産、子どもの進学を機に一戸建てを購入したい……そう思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一戸建ては建てるときはもちろん、維持するにも多額の費用が必要です。ただ、マンションも生涯でみれば非常に膨大なものとなります。
一戸建てとマンション、果たしてどちらがお得なのか?今回は一戸建てを維持するために必要な修繕やコストという観点から、その答えを考えていきましょう。
一戸建ての維持費は30年で1500万円以上!そのうち修繕費は1000万円
一戸建ての30年間の維持費 | |
---|---|
税金 (固定資産税・都市計画税) |
3,000,000円程度~ |
修繕費 | 10,000,000円程度~ |
保険料 | 2,00,000円程度 |
一戸建てを30年間維持していくためにはおよそ1,500万円もの費用がかかってしまいます。その主な内訳は「税金(固定資産税・都市計画税)」「保険料」「修繕費」という3つに分けられ、その中でもとりわけ修繕費が大きな割合を占めており、1,000万円以上が必要です。
住宅や土地などの不動産を所有している場合は固定資産税、都市計画税という税金が毎年かかります。立地や建物のコンディションなどで税額は変わりますが、目安は年間10~15万円程度、30年間だとおよそ300万円です。
保険料とは具体的には火災保険料のことを指します。こちらも不動産の評価額によって変わりますが、新築の場合は地震保険料付き5年間契約で30~40万円が目安となり、30年間で200万円はかかると考えておきましょう。
修繕費は建物の維持に必要な修繕を行うための費用です。屋根や外壁、バルコニー、土台などは最低でも15年ごとに修繕が必要となります。給湯器などの水まわりの設備も30年間使っていれば老朽化が進むため交換や修理が必要になるはずです。その総額として30年間で1,000万円はみておく必要があります。
一戸建てで修繕が必要な主な箇所一覧とその費用&修繕時期の目安
一戸建ての維持費の中でも特に大きなウエイトを占める修繕費ですが、いったいなぜ30年間で1,500万円もかかってしまうのでしょうか?
一戸建ての維持費の内訳としては主に以下のようなものが挙げられます。
修繕箇所 | 修繕時期 | 1回あたりの費用 |
---|---|---|
屋根 | 10~30年 | 50万円~150万円 |
雨どい | 7~10年 | 15万円~70万円程度 |
外壁 | 全面補修10~15年 | 100万円~150万円 |
塗り替え3~5年 | 10坪20万円~ | |
バルコニー・ベランダ | 全面補修10~20年 | 30万円~70万円 |
塗り替え3~5年 | ||
基礎・構造体 | 20~30年 | 30万円~300万円 |
給排水設備(水回り) | 10~20年 | 1.5万円~150万円 (交換部位によって異なる) |
ガス設備 | 10~20年 | 10~20万円 |
内壁 | 劣化状況による | 8500円~2万円/一畳 |
床 | 劣化状況による | 5000円~1万円/1㎡ |
白アリ防除 | 15年 | 20万円 |
このように修繕が必要になる箇所はさまざまあり、修繕工事を行うたびに費用が必要となり、30年間でトータル1,500万円ほど必要になってしまうのです。以下でそれぞれの修繕工事について詳しく見ていきましょう。
屋根|雨漏り等の対策には定期的な修理が必須
建物を強烈な日光や風雨から守ってくれる屋根。建物の中でもいちばん痛みや劣化がしやすい場所といえます。仮に屋根が破損すると建物の内部に水が侵入する、屋根が剥がれ落ちる、隙間風が吹くようになる、屋根材が剥がれ落ちるなど、さまざまな弊害が発生します。
劣化が激しくなると雨漏りや建物内部の構造体の腐食にもつながり、建物の寿命が短くなってしまうため、定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠です。
修繕時期は10〜30年ごとで、費用はおよそ50〜100万円ほどかかります。
雨どい|見落としがちだが最低10年で交換が必要
雨樋は屋根を伝ってくる雨水を地上や下水道に排出する管のことです。雨樋が破損すると雨水が途中で溢れて壁が汚れてしまう、雨水の重みで大きな破損につながるなどの弊害が発生し、やはり建物の寿命に関わる問題になります。
特に雨樋は管の中に葉っぱや土や砂などが詰まる、管が割れたり外れてしまったりする、ひび割れが生じるなど、さまざまなトラブルが起こりがちですので、屋根同様定期的な点検とメンテナンスが必要です。
7〜10年ごとに修理や交換が必要で、費用の目安は15〜70万円程度です。
外壁|塗装と補修(張替等)の両方が発生する重要箇所
外壁も屋根と同様に常に風雨や紫外線に晒される箇所です。そのため、年月が経つと塗料の色褪せや変色、カビや苔、汚れの付着、外壁材のひび割れや剥がれなどが発生します。そのまま放置しておくと、やはり雨水が内部に侵入して建物の寿命を縮めることにもなりかねません。
外壁は塗料でコーティングされていて雨水や紫外線のダメージから守られているのですが、定期的な塗替えが必要です。外壁材が破損しているのであれば、ひび割れの補修や外壁材の交換も必要となります。
塗料の塗替えはおよそ3〜5年周期で行い、費用は10坪あたり20万円〜。さらに全面補修は10〜15年周期で行う必要があり、100〜150万円ほどかかります。
バルコニー・ベランダ|数年で塗り替えが発生
ベランダやバルコニーには砂やほこり、葉っぱなどが飛来するため、日頃からしっかり清掃しておくことが大切です。それに加えてやはり紫外線や風雨の影響で劣化が進むため、定期的な点検とメンテナンスが重要となります。
また、特にベランダとバルコニーは鉄やアルミ、コンクリート、木など、複数の材料が使われているという性質もあるため、それぞれに合わせたメンテナンスを実施しなければならないという難点があります。
塗り替えは3〜5年、全面補修は10〜20年ごとに行い、費用はそれぞれ30〜50万円ほどかかります。
基礎・構造体|20~30年程度で全面的な修繕が必要
基礎とは建物の土台となる部分や床組を、構造体とは柱や梁、屋内の壁、天井、小屋組み、階段などの建物を支える骨組みを指します。いずれも建物にはなくてはならないもので、これらが劣化、破損すると建物全体の寿命にも関わってきます。
しかし、基礎や構造体は外からは不具合を発見することが難しいため、10年間の保証が義務付けられています。そのため、定期的な点検や補修はそれで賄うことが可能です。
加えて基礎・構造体は20〜30年ごとに大規模な修繕が必要となり、30〜300万円ほどかかります。
給排水設備(水回り)|キッチンや浴室のほか給水管など修繕箇所多数
水道管設備や浴室、洗面台、キッチン、トイレなどの水まわりの設備や、その周辺の給排水設備はやはり日頃からの清掃が重要です。水道管から赤茶色の水が出てくる場合は水道管が錆びている証拠なのですぐに取り替えましょう。パッキンや水栓器具などの部品も劣化や破損することがあるため、定期的な点検と交換が必要です。また、排水管の詰まりにも要注意です。
キッチンに関しても日頃から清掃を行い、給排水設備の不具合や排水口の詰まりを確認するとともに、換気扇やガスコンロも正常に作動することを確認しましょう。
トイレもやはり日頃からきれいにしておくことと、不具合がないかどうか定期的に業者に点検してもらうことが大切です。
いずれの設備も長い年月使用していると故障や劣化、不具合などが出てきます。10〜20年ごとに交換や修理を行い、箇所によって大きく異なりますが都度1.5〜150万円ほどの費用が必要です。
ガス設備|ガス管や給湯器などの交換が必要
ガス設備にはガス給湯器やそれらにガスを供給するガス管などがあります。ガス漏れによる事故や火災が発生しないよう毎月点検するとともにガス漏れ警報器を必ず設置しましょう。また、ガス給湯器は給排気口にホコリなどが付着しないよう清掃しておくことも大切です。
ガス設備は10〜20年ごとに詳細な点検や修理・交換を行いましょう。費用は10〜20万円ほどかかります。
内壁|必要に応じて交換が必要
内壁とは室内側の壁のことを指し、必要な修繕としてはクロス(壁紙)の張り替えが挙げられます。クロスの汚れや色褪せなどの劣化は場所によって異なります。たとえば洗面所やトイレなどは湿気が多く壁に水が付着することもあり汚れやすいです。窓際のクロスは日に焼けるので、やはり他の箇所と比較すると劣化や色あせが早い傾向があります。
クロスの張り替えは必要に応じて行い、一畳あたり8,500〜2万円が相場です。
床|劣化してきたら交換が必要
床も長い年月使用しているとどうしても痛みやすくなります。フローリングやカーペット、畳などの素材、また同じフローリングでも樹種によって劣化するスピードは大きく異なり、人が歩いたり物を置いたりする頻度によっても違ってきます。床は日頃から材質に合わせて適切な方法で清掃を行い、大きな損傷や劣化が見られたら修繕や交換を行います。
修繕期間は劣化状況によるので一概にはいえませんが、1㎡あたり5,000〜1万円が相場です。
白アリ防除|20年程度毎が工事の目安
シロアリは木を餌とする虫です。シロアリが建物内部に増殖すると、木造の構造物が食われてしまい、建物の耐久性が大きく低下してしまいます。地震などの災害で建物が倒壊するおそれも高くなるため、非常に危険です。
シロアリは湿気が高い場所を好むため、内部に水が入らないようしっかりと屋根や外壁などの修繕を行うことが大事です。加えて定期的に防除作業を行いましょう。
シロアリ防除はだいたい15年周期で行い、20万円ほどかかります。
【どっちがお得?】修繕とリフォームのメリット・デメリットを比較
住まいに不具合が出たときに修繕かリフォームするかのどちらにするかで迷われるという方も少なくありません。修繕とは不具合が生じている箇所のみを直すことです。たとえば給湯器やトイレの故障を直すなどが該当します。一方リフォームは全体的に室内や設備をつくりかえる工事です。キッチンをまるごと取り替える、トイレの交換だけでなく壁紙や床材も張り替えるなどの工事はリフォームに該当します。
修繕は不具合が出た箇所のみを直すため、費用はリフォームほどかかりません。ただし、修繕をしても他の不具合が発生する可能性があり、その都度修繕工事を行わなければならない点がデメリットです。
リフォームは工事が大規模になりがちで費用がかかるのがデメリットです。一方、室内をがらりとつくりかえることができるため、住宅の資産価値がアップする、より暮らしやすくなるなどのメリットが得られます。
どちらがいいかは築年数や不具合の範囲・頻度で判断しましょう。築年数が浅くて不具合が発生している部分が限定的であれば修繕のほうが費用はかかりません。一方で築年数が古くて不具合が発生している範囲が広い、あるいは発生する頻度が高い場合は都度修繕工事を行うよりはリフォームのほうがむしろ費用が抑えられる可能性もあります。
【安いのはどっち?】戸建てとマンションの維持費を30年で比較
一戸建てを建築する他にもマンションを購入するという選択肢もあります。ここからは戸建てと所有マンションの比較をしてみましょう。
項目 | 戸建て | マンション |
---|---|---|
税金 | 300万円程度 | 300万円程度 |
修繕費 | 1000万円程度 | 200万円程度(専有部分) |
修繕積立金・管理費 | 0円 | 990万円程度 |
保険料 | 200万円程度 | 55万円程度 |
合計 | 1500万円程度~ | 1545万円程度~ |
まず税金は戸建てもマンションもそれほど違いはありません。戸建てよりはマンションのほうが狭い分税金が安くなると考えられがちですが、マンションのほうが耐用年数は高いとみなされるため、結局はトントンになります。
修繕費用はマンションのほうが圧倒的に安いです。一戸建ては室内も、建物の外もすべて修繕の対象になりますが、マンションの場合は専有部分、つまり室内のみ修繕すれば問題ないからです。共有部分や外壁は大規模修繕で行われます。一方、マンションは修繕積立金や管理費などを支払わなければなりません。これがかなりの負担となります。
火災保険料はマンションのほうが大幅に安いです。
以上のように、費用の項目によって大きく金額は異なりますが、結局一戸建てもマンションも、必要な維持費の額に大差はありません。若干戸建てのほうが安い程度です。
【業者によって大違い】戸建ての修繕費を高品質なまま安くする2つのコスパ術
以上のように、一戸建てを維持していくためにはそれなりの修繕費がかかります。少しでも費用を安く抑えるなら、そして少しでも建物の寿命を伸ばしたいのであれば、修繕工事の施工業者選びを慎重にしてください。
ここからは戸建て修繕費用の抑え方として、業者選びのポイントを2つご紹介します。
1.直請けの修繕工事専門業者を選ぶ
一戸建ての修繕費用を安く抑えたいのであれば、なるべく直請けの業者を選びましょう。多くの修繕業者、特に大企業は請けた仕事をそのまま下請に丸投げするという多重下請け構造になっているケースが多く、その分中間マージンが発生して料金が高くなっています。
下請けを使わない直請けの業者であれば費用が抑えられて、なおかつ高品質な工事をしてもらえるため、非常にコスパが高いです。
RYU-SHINも直請けの修繕専門業者なので中間マージンは一切かかりません。高品質な工事をリーズナブルな価格で実現します。
2.国家資格を保有している業者を選ぶ
一級建築士などの国家資格を保有しているスタッフがいるかどうかを確認しましょう。難関な国家資格は専門的な知識とスキルがないとなかなか取得できません。有資格者がいれば、ある程度の技術力があるとみなすことができます。
RYU-SHINには一級建築士と一級施工管理技士の有資格者が在籍しているため、安心してお任せください。
この記事のまとめ
一戸建ての維持には30年間で1,500万円もの費用がかかります。とはいえ、マンションも同じくらいなので、維持費の面ではどちらがいい・悪いとはいえません。住まいを所有するにあたっては、どうしてもこれくらいの費用はかかるとみておきましょう。
一戸建ての場合は特に修繕費が大きな割合を占めています。特にこれから修繕工事をお考えの方は、今回ご紹介したポイントも意識してみて業者を選んでみてください。
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