大規模修繕中を快適に過ごすためのマンション住民への告知事項
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音楽を聴く女性大規模修繕工事中は住民の生活にさまざまな影響が出ます。工事をする以上ある程度騒音やにおいが発生するのはいたし方のないことです。ただ、上手く周知して工事に対する理解を深めてもらわないとクレームや思わぬトラブルが発生するリスクが高くなります

この記事では大規模修繕工事を検討されているマンションの管理組合の方向けに、工事中に発生する住民への影響や告知をする際のポイントについてご紹介します。

大規模修繕工事中に気になるのは「騒音」「におい」「洗濯物」「プライバシー」

大規模修繕中には特に「騒音・振動が発生する」「においが発生する」「洗濯物が干せない」「プライバシーが守りにくくなる」といった4つの問題が生じます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

騒音・振動の発生

大規模修繕時には機材や工具を使って作業を行うため、大きな騒音や振動が発生しやすくなります。特に仮設工事や補修工事の際には騒音や振動が発生しやすいため、しっかりと住民に告知をしてスケジュールを把握してもらいましょう。

テレビや電話などの音声が聞こえづらくなる、会話がしにくくなる、仕事や勉強に集中しにくくなる、不快な気分になる、お子さんを寝かしつけられなくなるなどの生活面での影響が懸念されます

においの発生

大規模修繕時、特に塗装工事や防水工事の際には塗料や溶剤を使うため、独特なにおいが発生することがあります。こちらに関してもクレームやトラブルにつながりやすいので注意が必要です。

不快に思うだけでなくにおいに敏感な方は体調や気分が悪くなるおそれがあります。また、塗装工事中は塗料が付着しないよう窓を養生しなければならないため、窓を開けること、洗濯物を干すこともできなくなってしまいます

洗濯物が干せない

外壁洗浄や塗装工事あるいはその他粉塵や液体が飛散するような工事を実施する際には洗濯物をベランダに干せなくなってしまいます。ただし、干せないのは数日のみなので、少しでも負担を軽減するよう住民へなるべく早めに周知しましょう。また、洗濯物を干した結果塗料や薬剤、ホコリなどで汚れてしまった場合はトラブルに発展しかねないので、絶対に周知漏れがないよう注意してください。

工事期間中は洗濯を控えるか部屋干しで対応してもらうことになります。ベランダの利用についてはこれ以外にもさまざまな注意点があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

プライバシーが気になる

足場組立仮設工事後、足場が組まれた状態になると作業員が窓の外を移動したり作業をしたりするようになり、その際には部屋の中が丸見えになってしまいます。

作業員が部屋のすぐ外にいて落ち着かない、プライバシーを守るために大規模修繕の工事期間中はずっと窓やカーテンが開けられない状況が続くのも住民にとっては大きなストレスとなります。

大規模修繕工事中の工事別告知事項

以上のように大規模修繕期間中には住民生活にさまざまな影響が発生します。ここからは工事の種類別に住民へ事前告知しておくべきことをご紹介します。たとえば仮設工事なら特に騒音の影響が大きいなど、工程ごとに影響度も異なります。上表にわかりやすいようまとめましたので、こちらも参照しながら読み進めてみてください。

仮設工事

仮設工事とは大規模修繕工事に必要な施設や設備を設けるための工事です。仮囲い、養生、仮設トイレの設置、足場の組み立てなどが仮設工事に分類されます。

特に足場を組み立てる際には非常に大きな騒音が発生するため、事前の周知は必須です。また、施工業者では施錠やセキュリティシステムなどによる防犯対策を行っていますが、どうしても足場があると空き巣や不審者が侵入しやすくなるので、窓の施錠などの防犯対策も呼びかけましょう

これ以外にもエントランスや庭、通路の通行制限が発生する、車や自転車の撤去を要請しなければならないといったケースも出てきます

補修工事

仮設工事が完了したら外壁やバルコニー、廊下、階段などに作業員が立ち入り、タイルやコンクリートの点検と補修作業が行われます。

この際には吊り作業、ハンマーによる手作業、重機による作業などが行われ、さまざまな騒音や振動が発生しがちです。加えて薬剤を使うことでにおいが発生するケース、粉塵や液体が飛散して洗濯物が干せないケースもあり得ます。やはり、騒音が発生する時期と洗濯物が干せない期間はしっかりと周知しておくことが大切です

塗装工事

補修工事が終わったら外壁や共有部の塗装作業に移ります。この期間は液体や塗料が飛散する可能性があるため、洗濯物が干せないケースがあります。また、特にベランダやドア、手すりなどの塗装の際には作業員が専有部に立ち入る、塗料が乾燥するまでドアや窓を開放しなければならないなど、住民生活に大きな影響が生じます。

洗濯物が干せない期間を周知するとともに、住民に在宅対応や協力をお願いする必要が出てきます

防水工事

防水工事とは雨水が建物内部に侵入しないようマンションの屋上や廊下、ベランダなどに防水処理を施す工事です。工事範囲が広いため、塗装工事以上に住民の協力が必要不可欠となります。

具体的には廊下や階段の通行やバルコニーの利用制限、エアコンの室外機の移動、ベランダの物の移動などが挙げられます。いつ、どこで、どのような工事が行われて、それによってどんな影響があるのか?どのようなことをしてほしい(してほしくない)のかを明確にして周知しましょう。

大規模修繕工事期間を快適に過ごす工夫

音楽を聴く男性もしも工事の騒音が気になるようでしたら耳栓やイヤーマフなどを活用してみましょう。特に自宅で仕事や勉強をされる方はこれらのグッズを使うことで集中できるようになります。また、音楽を流す、掃除をするなどして音が気にならないようにするのも効果的です。

洗濯物は工事が行われない夜間に干す、部屋干しをする、コインランドリーを活用するなどの方法であれば、洗濯物が溜まることはありません

プライバシーを守るためだからといってカーテンを閉め切ると室内が暗くなってしまいます。レースカーテンでも種類によっては十分外からの視界を遮る効果があるので、活用してみましょう

大規模修繕の工事期間中は騒音や振動が発生する、においが発生する、洗濯物が干せない、作業員がいて落ち着かない、窓やカーテンが開けられないなど、さまざまな制限があってストレスが溜まりがちです。どうしても我慢できないときには外出してみましょう。ストレスの原因から開放されて気も紛れるはずです。

まとめ

大規模修繕工事では住民の理解と協力が必須となります。そのためには、いつ・どのような影響や懸念があるのかを事前に周知しておくことが大事です。管理組合の方はスケジュールや協力してもらう事柄を確実に把握するためにも、施工業者をしっかりと選びましょう

工事内容を詳しく説明してくれ、住民への負担を少しでも軽減できるよう配慮してくれる業者を選べば、クレームやトラブルが少なくなり、管理組合にとっても住民にとっても満足できる大規模修繕工事が実現できるはずです。

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