外壁シーリング工事とは?マンション大規模修繕における重要性を解説!
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劣化シーリングとは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、英語で綴るとsealingとなり、「封じ込める」「密封する」という意味を表します。マンションの外壁塗装工事などで、壁のタイル目地や窓枠の隙間などに充填剤を注入し、防水性や気密性を確保するために行う工事のことです。

マンションの大規模修繕工事においても欠かせない工程のひとつで、建物の劣化を防止する重要な役割を担います。この記事では、シーリング工事がなぜ大規模修繕に必要なのか、その目的や使用する材料、施工方法、費用などについて詳しく解説します。

シーリング工事の基本的な役割と目的

シーリング工事マンションなどの建物の外壁は、タイルやレンガを貼り付けたり、複数のサイディングを張り合わせたりして施工しますが、その際に継ぎ目の隙間ができてしまいます。隙間からは雨水が侵入したり、シロアリが発生したり、地震や台風で損傷してしまう可能性があります。

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そのため、外壁材の隙間を埋め、トラブルを防ぐことがシーリング工事の主な役割であり、外壁の補修工事の一環として建物の劣化を防ぐことが目的です。では、マンションの大規模修繕において、なぜシーリング工事が重要なのか、その理由とタイミングなどについてご説明しましょう。

なぜ大規模修繕にシーリング工事が必要なのか

シーリング工事新築工事の際、外壁材同士の隙間やサッシ周り、手すりの付け根周辺などには、しっかりシーリングが埋め込まれています。けれど、シーリングにも耐用年数があり、5年〜10年もすれば劣化してしまいます。

大規模修繕の周期は、国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」で12年目安とされていますが、一般的には外壁塗装工事の周期目安は10年と言われています。つまり、新築から10年も経つと外壁塗装及びシーリングは経年劣化の限界を迎えるので、このタイミングに大規模修繕としてシーリング工事を伴う外壁工事を行うことが理想的と言えるでしょう。

建物劣化を防ぐシーリングのチェックポイント

シーリングの寿命は5年〜10年と言われていますが、環境によってはそれよりも早く劣化が始まることがあります。シーリングが劣化すれば雨水などが侵入し、建物自体の劣化も早まってしまいます

以下に、シーリングの劣化症状についての主なチェックポイントを一覧表にしましたので、ご参考になさってください。

劣化症状 チェックポイント
ひび割れ シーリングの柔軟性が低下しタイルの目地などにひび割れが生じていないか
痩せ シーリング材の弾力性を生む可塑剤が溶け出すことで厚みが減っていないか
剥離 外壁パネルやボードからシーリング材がはがれて隙間ができていないか
欠落 シーリング材が剥がれ落ちて内部が見えてしまっていないか

コーキングとシーリングの違いって?

コーキングは、英語で綴るとCaukingで、隙間や亀裂などに「詰め物をする」「埋める」という意味です。英語の意味は異なりますが、コーキングはシーリングの別名と言っても良く、現状では同じことを指します。かつてはJIS規格で油性コーキング材とシーリング材の区別がされていましたが、2004年に油性コーキング材の規定は廃止されました。

ただし、建築業界では習慣的に、チューブ容器に入ったペースト状のものをコーキングガンにセットして施工するタイプを「コーキング材」と呼び、固定用シール材のガスケットのようなパッキン状のものを「シーリング材」と呼ぶこともあるようです。メーカーによっては、シーリング材の名称を「シーラント」「コーク」と表記しているケースもあります。

シーリング材と工法の種類について

シーリングシーリング材は、硬化の仕方や製品形態そのものによって種類が異なります。また、古いシーリング材を切り取って新しいシーリング材を入れるのか」「古いシーリング材の上に新しいシーリング材を被せるのか」によって工法が異なります。

シーリング材の種類は意外にも多いのですが、硬化方法によって分類され、さらに製品形態で種類が分かれています。また、シーリング材の相棒とも言える部材についてもわかりやすくご説明したうえで、工法選びの目安となる基礎知識についてご紹介します。

硬化方法によるシーリング材の分類と種類

シーリング材は大きく分けると、1種類のみのシーリング材による1成分形、基材と硬化剤の2種類を混ぜ合わせる2成分形という2種類のタイプがあります。さらに硬化方法によって、湿気硬化型、乾燥硬化型、非硬化型、混合反応硬化型に分類され、材質によって種類が分かれます。

1成分形 湿気硬化型
(空気中の水分と反応させる硬化方法)
シリコーン系
変成シリコーン系
ポリウレタン系
ポリサルファイド系
乾燥硬化型
(溶剤や水の揮発乾燥による硬化方法)
アクリル系
ブチルゴム系
非硬化型
(内部は硬化させず表面に酸化皮膜を形成)
油性コーキング
2成分形 混合反応硬化型
(主剤と硬化剤を混合した際の化学反応による硬化方法)
変成シリコーン系
ポリウレタン系
ポリサルファイド系
シリコーン系
ポリイソブチレン系

1成分形と2成分形それぞれのメリット・デメリットについては、「2種類のシーリング材の特徴」もご参照ください。

バックアップ材とプライマーの役割

シーリング材にとって欠かせないパートナーとも言える部材の存在が、バックアップ材とプライマーです。

バックアップ材とは、外壁面の目地へ使用するポリエチレン発泡体のことです。シーリング材は地震による揺れなどの動きに対応できるよう二面接着が推奨されますが、シーリング材が壁面の下材に接着すると三面接着となり、動きが固定されてしまいます。そこで、シーリング材が壁面の下材に接着するのを防ぐため、バックアップ材を挿入します。また、シーリング材を充填する深さの調整にも用いられます。

もう一つのパートナー材であるプライマーとは、シーリング材の剥離を防ぐための下塗材のことで、シーリング材の密着性を高めるのが主な役割です。

シーリング工事の施工ステップと費用

御見積書シーリング工事の日数は、雨降りが少ない乾燥しやすい季節なら3日〜4日程度、湿度が高く乾燥に時間を要する時期なら5日〜6日程度が目安です。シーリング材は、1日で数m〜数10m打ち込めますが、乾燥させて完全硬化させるまでにシーリング材にもよりますが約3日はかかります。それでは、シーリング工事の流れと費用の目安についてご説明しましょう。

事前準備~施工後の検査と完了確認

シーリング工事は以下の流れで行われます。

  • ●ステップ1:古いシーリング材の除去(打ち替え工事のみ)
  • ●ステップ2:削りカスなどの清掃
  • ●ステップ3:バックアップ材の取り付け
  • ●ステップ4:マスキングテープによる養生
  • ●ステップ5:プライマーの塗布
  • ●ステップ6:シーリング材の充填
  • ●ステップ7:仕上げのヘラ押さえ
  • ●ステップ8:工事完了

見積もりに含むべき項目と注意点

マンションの大規模修繕でシーリング工事を行う場合、管理組合が主導して複数の業者から相見積もりを取ることが多いでしょう。以下に、シーリング工事に関する見積書のチェックポイントを記載します。なお、シーリング工事は外壁塗装工事の一環として行われるので、外壁塗装工事の項目内に記載されることが通例です。

  • ① シーリング工事の面積や数量が記載されているか
  • ② シーリング材の種類や名前が記載されているか
  • ③ 打ち替え工事か打ち増し工事か
  • ④ 工程に合わせ項目が記載されているか
  • ⑤ 足場仮設の記載があるか
  • ⑥ 付帯部などが省かれていないか

株式会社RYU-SHINでは、変成シリコンによる打ち替え工事の場合、単価の目安は1㎡800円〜1,300円となっております。建物やシーリングの状態に応じて価格は異なりますので、詳しくお知りになりたい場合は、お気軽に見積をご依頼ください。お見積りに関してはもちろん無料ですし、無料調査診断も承ります

まとめ:タイミングを逃さず無駄のないシーリング工事を

シーリング材は5年〜10年程度で劣化します。外壁塗装工事はマンション大規模修繕の要(かなめ)となる工事ですが、中でもシーリング工事は建物の劣化を防ぎ、耐久性を維持するために重要です。シーリングの状態によって工法は打ち替え工事と打ち増し工事の2種類があり、使用するシーリング材も異なります。現場の状況に合わせた診断による工法の選択や、具体的で明解な見積書を提出してくれる、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

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