マンション大規模修繕工事とは?かかる費用や期間、工事内容について詳しく解説
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マンションに住んでいると、10~15年ぐらいのスパンで必ずやってくるのが、「大規模修繕工事」です。管理組合の方々にとってはとても面倒な作業ですが、大規模修繕をうまく乗り切ることで、マンションの資産価値を維持することができるので、欠かすことのできない工事でもあります。

とはいえ、「大規模修繕工事」にはどんな工事が含まれるのか、気になる方も多いと思います。

そこで今回は、マンションの大規模修繕工事について、気になる費用や周期、工事内容と流れについて詳しく解説します。管理組合や修繕委員会、マンションの居住者の方々にとって、修繕前に必ず知っておきたい知識ばかりですので、ぜひお読みください。

マンションの大規模修繕工事の目的・かかる費用は?

マンションの大規模修繕工事は、築年数の経過による建物の劣化を防ぐために行われます。工事にかかる費用の総額は1,000万円~3,000万円程度が目安ですが、住宅の戸数や工事内容によっては3,000万円以上になることもあります。

大規模修繕工事を行う目的やかかる費用について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ビルの外壁塗装工事はなぜ必要?塗装時期・費用・優良業者の見分け方を解説!

マンションの大規模修繕工事の期間は?

マンションの大規模修繕工事にかかる期間は「計画から着工まで」と「着工から工事完了まで」というように大きく2つに分けることができます。

計画から着工までの期間は、おおよそ1年から2年となっています。また、着工から工事完了までの期間は、50戸以下の小規模マンションであれば3~4か月程度、50戸以上の大規模マンションであれば4か月以上かかるようになります。

マンションの大規模修繕工事の周期と回数はどれくらい?

マンションで大規模修繕工事を実施する周期や回数は法律などで決まっているわけではありません。ただ、12~15年周期が一般的だと言われています。

国土交通省が発表している「長期修繕計画作成ガイドライン」で示されているほか、新築時の建材の保証期間も10年程度で設定されているケースが多いことにより、大規模修繕工事の周期が導き出されています。

ただ近年では建材も進化しており、大規模修繕工事のときに耐久性や防汚効果に優れた製品を使用して次回の修繕までの周期を15年や18年へと延長修繕費用を抑えた修繕工事を検討するマンションも増加しています。

マンションの大規模修繕工事の進め方

大規模修繕工事は、マンションの管理組合が主体となって進めていきます。大規模修繕工事が着工するまでに、マンションの管理組合としては、次の3つのことを済ませておく必要があります。

① 修繕委員会の立ち上げと、建物診断の実施

マンションの大規模修繕が決定したら、「修繕委員会」(通常5~10人程度)を立ち上げ、そこで大規模修繕に関することをすべて取りまとめるようにします。

委員会が立ち上がったら、まずはマンションの劣化状況を把握するために「建物診断」を行います。この診断結果によって、どこを修繕する必要があり、修繕費用がどのぐらいかかるかといった概算を把握することができます。

② 施工業者の選定

次に、大規模修繕の施工業者を選びます。5~10社ほどの業者から相見積もりをとり、施工内容や費用を比較検討した上で決定します。

③ 工事説明会の実施

工事を着工する前に、施工業者がマンションの住民に向けて工事説明会を開催します。資料などは業者が用意するので、修繕委員会は主に会場の設営を行います。

マンションの大規模修繕工事の種類工事内容~7つのステップ~

大規模修繕工事は、「仮設工事」「下地補修工事」「タイル補修工事」「シーリング工事」「塗装 工事(外壁)」「塗装工事(鉄部)」「防水工事」の、7つの流れで進んでいきます。それぞれの工事内容について、詳しくご説明しましょう。

STEP1 仮設工事

大規模修繕工事を始める際は、まず職人が安全に作業できるよう、「仮設工事」を行います。職人の作業環境を向上させることは、安全確保のためだけでなく、大規模修繕の品質向上にもつながります。

仮設工事には、「直接仮設工事」と「共通仮設工事」の2種類があります。

直接仮設工事

主に高所作業などに必要となる「足場」を設置するための工事です。足場以外に「仮設シート」や「水平ネット」「養生」「柵」「防犯カメラ」「サーチライト」なども設置します。

共通仮設工事

足場関連の直接仮設工事以外にも、作業員用の「仮設事務所」や「資材置き場」「仮設トイレ」「お知らせ掲示板」などを設置するための、共通仮設工事を行います。

STEP2 下地補修工事

仮設工事が完了したら、次に「下地補修工事」を行います。下地補修とは、下地面に生じた凹凸や亀裂、欠損などを削り取ったり、埋めたりする作業のことです。

マンションの外観を見ただけではわかりませんが、下地補修をしっかりと行うことは、後の工程にも大きく影響する重要な作業のひとつです。

下地補修を行う際は、まず技術者が「目視・打診調査」によって、下地の状態を確認します。建物の構造的な特長なども把握しながら、そのマンションにとって最適な工法を選びます。

下地補修の代表的な方法としては、「ポリマーセメントペースト」や「エポキシ樹脂」をひび割れに充填する工法があります。

STEP3 タイル補修工事

下地からタイルが浮いていたり、ひび割れたりしている場合には、「タイル補修工事」を行います。タイルが落下して物損や人身事故が発生してしまうと、管理組合が責任を負うことになるので、タイルの不具合がある際には必ず補修しましょう。

タイル補修工事は、まず「目視」や「打診」などでタイルの状態を確認し、その後で「下地補修」「タイル補修」「目地補修」を行います。

タイル補修の方法には、「浮き補修」と「張り替え補修」があります。一般的に行われるのが「浮き補修」で、タイルが浮いた部分に接着剤を注入することで、下地との付着力を補います。

範囲が広い場合や、下地の手直しを行わなければならない場合は、タイルを張り直す「張り替え補修」を行います。

STEP4 シーリング工事

外壁などのつなぎ目に使われるシーリングは、雨風や地震などの衝撃から下地を守る大切な役割を果たしていますが、時間とともにどうしても劣化してきます。シーリングの劣化が始まるのは、一般的に5~10年と言われています。

そこで必要になるのが、「シーリング工事」です。シーリング材を新しく充填し直すことで、建物の気密性が高まり、雨水の侵入を防ぐとともに、建物自体の断熱性を高める効果も期待できます。

STEP5 塗装工事(外壁)

外壁の塗装工事は、マンションの美観を保つだけでなく、雨水や汚れから建物を守るという大切な役割があります。

外壁は、5〜10年ほど経つと静電気などによって色褪せやひび割れが生じるため、大規模修繕のタイミングで塗装工事を行うマンションが数多くあります。工事を行う度に、これまでの塗料よりも進んだ性能を持つ塗料を選べるケースが多く、そういう意味でも塗り替えのメリットがあります。

塗料の効果を十分に発揮するためには、適切な量を均一に塗布する必要があります。外壁塗装工事については、RYU-SHINのコラムでも詳しく説明していますので、ご参照ください。

STEP6 塗装工事(鉄部)

マンションの鉄製扉や外階段、メーターボックスの扉のように、鉄でできている部分については、錆を落として塗装工事を行います。一度の塗布で終わらせることは難しく、単一の塗料でも重ね塗りをする必要があります。

錆が進行し過ぎているときは、再塗装後に表面の凹凸が目立ち、大きく美観を損ねるケースもあります。塗装での補修が困難な場合は、鉄部の取り替えが必要となることもあるでしょう。

STEP7 防水工事

屋上や外階段、バルコニーなどのように風雨にさらされる床面については、「防水工事」が必要です。屋上防水の工事保証は通常10年ほどなので、前回の工事から10年または10数年後に調査を行うことをおすすめします。

屋上の防水工事は、素材や方式によって「ウレタン防水」「塩ビシート防水」「アスファルト防水」「FRP防水」などに分かれます。

屋上以外の共有廊下や階段などは、「ウレタン塗膜仕上げ」や「塩ビ防滑シート仕上げ」が行われており、その中でも塩ビ防滑シートが主流となっています。

すでにウレタン防水やシート防水の処理を行っているマンションでも、10~12年程度を目安にメンテナンスを実施した方がよいでしょう。

建物の資産価値を高めるバリューアップ工事とは?

大規模修繕工事の際には、劣化した箇所を修繕するだけでなく、建物の資産価値を高めるための「バリューアップ工事」を行うこともあります 。これによって、居住者がより安全で快適に暮らせるよう、デザイン性や機能性、省エネ効果を高めることができます。

バリューアップ工事には、「バリアフリー化」「エントランス改修」「内装リフォーム」「窓サッシの改修」「玄関ドアの改修」「機械式駐車場の改修」などがありますので、それぞれの内容を以下で詳しく説明します。

バリアフリー化

少子高齢化が進んだ現代においては、マンションの居住者も高齢化しています。今では全国のマンション居住者の中で60歳以上のシニア層が全体の約40%を占めており、今後も増え続けることが予想されます。そこでマンションで各部屋の専有部分はもちろん、共用部分のバリアフリー化が求められています

高齢の居住者が安心して快適に生活できるマンションになることで、「高齢者に優しいマンション」として認められれば資産価値の向上も期待できます。

マンションで行われるバリアフリー化工事には、以下の種類があります。

  • エントランスの正面玄関に自動ドアの採用
  • 手すりの設置(外部・内部階段、廊下、エレベーター内など)
  • 床のノンスリップ化(廊下など)
  • エレベーターのリフォーム
  • 公道と敷地の間の段差解消
  • 玄関段差にスロープを新設
  • 駐車場の整備(車寄せの新設など)
  • 点字ブロックの設置

全国の自治体では、マンションで実施されるバリアフリー化を支援するための助成金や補助金制度が実施されています。バリアフリー化に手を付ける前にチェックしておくことをおすすめします。

内装リフォーム

古くなった浴槽、トイレ、 キッチンなどを交換する、内装のバリューアップ工事することで、快適な生活空間にリフォームします。こうすることで、マンション資産価値の上昇が期待できるようになります。

災害対策

災害は常に発生しており、今後は「南海トラフ巨大地震」が発生することも懸念されています。マンションでも災害対策工事を実施することで、そのマンションは災害に強い物件として認識されるようになります。

自家発電できる太陽光パネルを屋上に設置するといったことも災害対策として有効ですが、マンションではやはり耐震補強は実施しておきたい工事だといえるでしょう。特に、1981年5月以前に建てられたマンションは「旧耐震基準」で建設されている可能性があります。そこで耐震診断を実施し、耐震基準に満たない場合には耐震補強工事を行う必要があります。

バリアフリー化と同じように、全国の自治体ではマンションで行う耐震診断や耐震設計、耐震補強に対して利用できる助成金・補助金制度が用意されています。災害対策を行う前にチェックしておくことをおすすめします。

マンションの大規模修繕工事後の定期点検

工事完了後は、現場の経緯や状況を知っている施工業者の現場代理人や営業担当が担当窓口となりますので、もし引き渡し後に不具合などがあった場合でもすぐに対応してくれます。

引き渡し後には、1年、2年、3年、5年、10年が経過した後にそれぞれ定期点検を実施することが多くなっています。その際、居住者に対してアンケートを行い、工事完工後に不具合が生じてないかどうか調査をします。もし不具合があった場合には、再施工、再検査を行います

まとめ

マンションの大規模修繕工事の工事内容と、工事の流れについてご紹介しました。大規模修繕は管理組合にとってメインイベントともいえる重要な工事なので、工事の内容や流れをしっかりと把握した上で、慎重に話を進めましょう。

「RYU-SHIN」は、管理組合や住民の皆様に心からご納得いただける大規模修繕工事を実現すべく、日々努力を重ねています。大規模修繕工事は、技術力・提案力・対応力に定評のある「RYU-SHIN」にお任せください。

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